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教えて!益永先生 ~特定処遇改善加算について~

2019年10月1日から「特定処遇改善加算」というものが創設されるようですが、概要について教えてください。

はい。「特定処遇改善加算」は、従前の介護職員処遇改善加算ⅠからⅢ※を取得している介護事業所等に対して、おもに「勤続10年以上の介護福祉士」の処遇改善を行うための原資を提供するものです。 ※加算Ⅳ・Ⅴの取得等では不可


介護事業所であればどこでも利用できるのですか?

いいえ。下記の要件を満たす必要があります。
①現行の介護職員処遇改善加算ⅠからⅢを取得
②介護処遇改善加算の職場環境等要件における、
(1)資質の向上(2)労働環境・処遇の改善(3)その他のそれぞれで1項目以上の実施
③介護処遇改善加算に基づく「取り組みの見える化※」 ※ホームページへの掲載など


なるほど。「特定処遇改善加算」は、介護福祉士の処遇改善にしか利用できないのですか?

いいえ。介護事業所の判断で「それ以外の職員」の処遇改善にも柔軟に充てることは可能です。


そうですか。加算はどういった方法で請求するのですか?

はい。加算してもらうには「利用者に提供したサービスに係る介護報酬」に加算を上乗せして請求することができます。


対象外のサービスなどはありますか?

さすがですね。下記のサービスでは加算がされませんので注意が必要です。
①(介護予防)訪問看護
②(介護予防)訪問リハビリテーション
③(介護予防)福祉用具貸与
④特定(介護予防)福祉用具販売
⑤(介護予防)居宅療養管理指導
⑥居宅介護支援 ⑦介護予防支援


「勤続10年」の考え方ですが、同一法人内での年数ですか?他法人の経験と通算は可能ですか?また、「勤続10年以上の介護福祉士」がいないともらえないのでしょうか?

同一法人だけでなく、他法人や医療機関等での経験等も通算できます。また、「勤続10年」というのは、柔軟に解釈して良いとなっています。ただし、全く自由にしてしまうと、「勤続10年以上の介護福祉士の処遇改善」という本来の趣旨が損なわれることもあるため、一定のルールが定められています。


どういったルールなんですか?

はい。原則として、下記の①と②の要件を満たす必要があります。
①経験・技能のある介護福祉士※1に対しては、「月額8万円」の改善又は「賃金が年収440万円以上※2」が1人以上
※1 勤続10年以上の介護福祉士を基本とし、介護福祉士の資格を有すること。
なお、勤続10年の考え方は事業所の裁量で決定。
※2 役職者を除く全産業平均賃金
②平均の処遇改善額が経験・技能のある介護職員は、その他の介護職員の2倍以上とすること
その他の職種※はその他の介護職員の2分の1を上回らないこと
※役職者を除く全産業平均水準(年収440万以上の者)は対象外


なるほど。①の要件の1人以上というのは事業所がいくつかある場合ですと、事業所の数に応じて「月額8万円以上」の処遇改善などの要件を満たす人がそれぞれ「1人以上必要」ということでしょうか?

はい。原則として、事業所の数に応じて必要となります。
※小規模事業所等がある場合は、合理的な説明を条件に、当該事業所等に「月額8万円以上の処遇改善等」がいなくても認められる可能性もあります。


わかりました。最後に「月額8万円」の処遇改善の計算にあたって、現行の介護職員処遇改善加算による賃金改善分は含めていいのですか?また、法定福利費等の増加分も含めて判断していいのでしょうか?

はい。まず、現行の介護職員処遇改善加算による賃金改善分とは分けて判断する必要があります。つまり含めて計算してはいけません。また、法定福利費等についてですが、
①月額8万円の処遇改善 ⇒ 法定福利費等の増加分も含めて判断する
②処遇改善後の年収440万円 ⇒ 社会保険料等の事業主負担その他の法定福利費等は含まずに判断する
となっております。


わかりました。ご丁寧に教えて頂き、ありがとうございました。
【 特定処遇改善加算のポイント 】
■従前の「介護職員処遇改善加算Ⅰ~Ⅲ」を取得している介護事業所等に対して、主に「勤続10年以上の介護福祉士」の処遇改善を行うための原資を提供を目的としている
■対象となる介護事業所や介護福祉士、職員については様々な要件がある