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教えて!益永先生 ~退職の申し出は就業規則と民法のどっちが優先?~

佐藤社長
佐藤社長

職員から2週間後に退職したいと言ってきました。当社の就業規則では1か月前に申し出ることとしていますが、本人は民法上は2週間前でいいはずと言ってきました。
会社としてはどうすれば良いでしょうか?

はい。この点については見解が分かれるところですが、原則は「就業規則(社内ルール)」よりも「民法(法律)」の規定が優先されると考えた方が妥当とされています。

益永先生
益永先生
佐藤社長
佐藤社長

民法ではどのような規定があるのですか?

はい。民法では下記の規定があります。※2019.8.20現在

【期間の定めなしの場合】
①原則のケース(日給月給制など)民法627条1項
 ⇒ 「2週間前」までに退職の申し出が必要

②期間によって報酬を定めている場合(完全月給制など)民法627条2項
 ⇒ 「その期間の前半」までに退職の申し出が必要。

 例:給与計算期間が月末の場合
  (1)8月15日までに申し出した場合・・・8月31日で退職が可能。
  (2)8月16日以降に申し出した場合・・・9月30日で退職が可能。

③6か月以上の期間によって報酬を定めた場合(年俸制など)民法627条3項
 ⇒ 「3ヶ月前」までに退職の申し出が必要。

【期間の定めのある場合】
①原則のケース 民法628条
 ⇒ 契約期間の途中での退職は原則として認められない。

②上記①の例外
 ⇒ やむを得ない事由があるときは、直ちに解約が可能。

益永先生
益永先生
佐藤社長
佐藤社長

そうなんですね。そんなにルールがあるとは知りませんでした。

はい。ただし、【期間の定めなしの場合】の②と③の規定については、民法改正により2020年4月1日からは「使用者からの」という文言が追加されるようです。

益永先生
益永先生
佐藤社長
佐藤社長

つまり、どういうことですか?

はい。「使用者側からの解約(※)」については今まで通りのルールですが、「労働者側からの退職の申し出」については、完全月給制や6か月以上の年俸制などに関わらず「2週間前」までに退職の申し出をすればOKになるということです。

※使用者側からの解約(解雇)申し入れには、原則として労基法20条の解雇予告の規定や労働契約法第16条の解雇権濫用に関する規定が適用されます。そのため、民法の規定どおりに解約できるわけではない点にご注意ください。

益永先生
益永先生
佐藤社長
佐藤社長

そうなんですね。労働者を不当に拘束される(例:3か月間など)のを避けるためでしょうかね?

そう考えられますね。退職日までに有給休暇の希望をされるケースもありますし、会社側としてはなるべく属人化を避けてマニュアル化や仕組み化をするなど事前に対策をしておきたいですね。退職代行サービスも最近よく聞きますし。

益永先生
益永先生
佐藤社長
佐藤社長

そうですね。では、本人の主張通り2週間後を退職日として、それまでにしっかり引継ぎをしてもらい、円満に退職してもらうように頑張ります。ありがとうございました。

   

【労働者からの退職申し出に関するポイント】

■退職申し出のタイミングについて、就業規則で規定されていても原則は民法の規定が優先される

■民法上の規定は、雇用期間の定めの有無や報酬の算定期間によって異なる

■雇用期間の定めがない場合については、2020年4月1日より報酬の算定期間に関わらず、労働者からの申し出は「2週間前」で良いとされることになる

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